栗材(ブナ科・国産)
建物の土台に用いられるほど堅くて強い木です。
木目がはっきりとしているので、美しい仕上がりになります。ダイニングセットなど家具類に使用しています。
そろばんと工芸の館のオリジナル家具は栗を材料にしています。
【理由・その1】地元の中国山地で伐採された栗が豊富に入手できる。
【理由・その2】木目が美しく、丈夫で長持ちするから。
【理由・その3】堅くて強いが、加工がしやすい。
【理由・その4】和風にも洋風にもデザインが可能である。
栗の原木が製品になるまで
1.原木の購入
島根県内の木材チップ加工業者から原木を購入します。空気が乾燥する秋口に1年分を購入します。
2.製材
原木を板材にします。
3.皮はぎ
冬に向けて自然乾燥させるので、冬ごもりする虫が皮の隙間に入り込んで、材料が虫食いにならないように外皮を剥いでいきます。寒い中での手作業ですが、この一手間がなくては良い製品は作れません。
4.桟積み(さんつみ)
板材の間に桟を入れて隙間を作り積んでいきます。
5.天然乾燥
空気が良く乾燥する晩秋から約1年かけてゆっくりと乾燥させます。この期間を短くすると、激しい割れや反りを生ずる原因になります。約1年で空気中の水分とバランスのとれた平均含水率(15~18%)に達すると言われています。天然乾燥ではここまでが限度です。
6.人工乾燥
室内の冷暖房が行き届いた乾燥状態で使用される家具を作るためには、更に人工乾燥が必要となってきます。大きな乾燥機に入れ、約1か月かけてゆっくりと人工的に乾燥させます。乾燥が行き過ぎるとぼそぼそになり、艶が失われますので、含水率8%を目標に乾燥させます。
7.シーズニング
人工乾燥が終わったら、再度桟積みして空気中の水分を適度に吸わせ、室内での平均含水率(約11%)まで戻します。この工程に少なくとも10日間はかかります。
8、木取り・四面加工
横切りで荒く長さを切った後、手押しガンナ盤で一面を平らにします。次に自動ガンナ盤を通して、平行な平面を二面持つ材料に加工します。次に直角に削ったほうを基準にして、もう一度自動ガンナ盤を通します。これによって、直角ができた四面加工材になります。
9.製作加工
これでようやく、それぞれの製品に加工することができます。
【参考文献】 「てづくり木工辞典№54」 婦人生活社
その他の材料
材料によっては入手できない場合もございますので、予めご了承ください。
黒柿材(カキ科・国産)
通常のカキの木は単色で橙色を帯びていますが、樹齢を重ねた木の中で土壌に含まれている鉄分や微生物などの影響を受けて色素が蓄積され、黒色の縞模様や濃淡ができることがまれにあり、そうした柿を黒柿と呼びます。模様の美しさから装飾目的の用途に使い、希少価値が高いので、その価格も高くなります。茶道具、花台などに使用しています。
ケヤキ材(ニレ科・国産)
日本を代表する銘木で、材に光沢があり特有の美しい木目を持ち、とても堅くて強い木です。古くより寺社仏閣などに多く使用されています。座卓や衝立などの家具類、茶道具、民芸品、建築材、楽器材など幅広く使用されています
トチ材(トチノキ科・国産)
やや軽軟で、材面には絹のような光沢があり、特に縮杢があらわれたものは茶道具や、工芸材料として珍重されています。座卓などの家具類に使用しています。
縞黒檀材(カキ科・インドネシア産)
黒檀は、「紫檀(したん)・黒檀(こくたん)・鉄刀木(たがやさん)」で知られる唐木の代表的なもののひとつです。非常に緻密で堅く、黒光りした宝石のように美しい光沢があります。座卓、飾り棚など工芸品に使用。また、本黒檀は高級算盤の枠材にも使用しています。
桜材(バラ科・国産)
木材はやや重硬といえます。不均一な木目をしており、古くから装飾的な用途に使われています。座卓など家具類に使用しています。
なら材(ブナ科・国産)
とても堅くて強い木です。栗材と同様に木目が美しい仕上がりになります。ダイニングセットなど家具類に使用しています。
その他
この他にも各種材料を取り揃えています。